日本のブルータリズム建築 | TWO VIRGINS | 株式会社トゥーヴァージンズ

日本のブルータリズム建築
BOOK著:磯達雄/写真:山田新治郎
発売日:2023/3/28
著:磯達雄/写真:山田新治郎
定価:6,600円(本体6,000円+税)
仕様:B5/上製/144ページ
ISBN:978-4-908406-90-4

それは世界のすべての場所に希望を与える、

希望の建築であった ―― 隈研吾(建築家)

 

1960〜70年代を席巻した「ブルータリズム建築」。ブルータル(荒々しい)という名の通り、コンクリート打ち放しの荒々しい仕上げが特徴的だが、そのデザインには「より安価な材料で、より一般の人々のため・社会のためになる建築をつくる」という現代にも有効な普遍的な原理が通底している。こうしたことから近年、世界中で再評価されているブルータリズム建築。本書は、建て替えによって失われつつある日本のブルータリズム建築について、豊富な写真と解説で紹介。その魅力に迫り、日本における再評価のきっかけを与える一冊。

 

 

<目次>

INTRODUCTION:ブルータリズム建築の再定義

 

散在するブルータリズム建築

01 日生町役場/HINASE TOWN HALL

02 宮津市庁舎/MIYAZU CITY HALL

03 熊本大学学生会館(東光会館) /THE STUDENT UNION OF KUMAMOTO UNIVERSITY

04 蒲郡市民体育館/GAMAGORI CITY GYMNASIUM

05 プラザ佐治/PLAZA SAJI

06 福田山全久寺/FUKUDENZAN ZENKYUJI TEMPLE

07 愛宕山少年自然の家/ATAGOYAMA HOUSE OF NATURE FOR YOUNG PEOPLE

08 奈良県浄化センター本館/NARA PURIFICATION CENTER MAIN BUILDING

09 臼杵市中央公民館/USUKI CITY CENTRAL PUBLIC HALL

 

COLUMN1:危機にあるブルータリズム建築

COLUMN2:生き続けるブルータリズム建築

 

 

【140点以上の写真で日本のブルータリズム建築を詳解!】

臼杵市中央公民館(大分県臼杵市/1979年竣工)

鋭角的なボリュームが噛み合う構成の巧みさと

コンクリート打ち放し本ざね仕上げの荒々しい質感に惹きつけられる、

日本のブルータリズム建築の傑作。写真は南側外観。

日本の建築界でも知る人が極めて少ない建造物だが、

1970年代以降も国内で優れたブルータリズム建築がつくられ続けていたことを示す建築。

 

福田山全久寺(愛知県名古屋市/1973年竣工)

寺院の上半分は銅板葺きの方形屋根で、中心に相輪が載る伝統的デザイン。

一方、下半分はコンクリート打ち放しの柱が斜め上に広がるように伸び、

その間を埋めるプレキャスト・コンクリート製の水平材が段状の壁をつくり上げる。

伝統的な仏教寺院の象徴性とブルータリズムの構造美を融合させた建築。

写真は本堂の西側外観。1973年度の中部建築賞受賞。

 

奈良県浄化センター本館(奈良県大和郡山市/1974年竣工)

奈良県北部65万人の暮らしを支える浄化センターの中枢施設。

写真は本館から東に延びる2階廊下で、ゲートの役割を果たしている。

建物の外観は、中央をコア状の構造が縦に貫き、

その両側に4階のボリュームがキャンチレバーで張り出す。

ブルータリズムのデザインはインフラストラクチャー的なものとも相性がよい。

 

≪メディア掲載情報≫

●雑誌「Casa BRUTUS 2023年6月号」(マガジンハウス)、「a wall newspaper」欄にて監修 磯達雄さんインタビュー、本書紹介(2023/05/09)

●雑誌「建築技術6月号 第881号」(株式会社建築技術)書籍コーナーで本書紹介(2023/05/17)

●「朝日新聞」にて書評掲載(2023/06/03)→好書好日

●雑誌「芸術新潮 2023年8月号」(新潮社)編集部のおすすめ!コーナーにて紹介(2023/07/25)

●書籍「SD2023」(鹿島出版会)にて書評掲載(2023/12/20)