2010年に日本が世界に向けて提唱した国際SATOYAMAイニシアティブを引き継ぐ形で、2021年に水土保持局と台湾における五つのSATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)のメンバーたちが協力して、四冊の絵本を発行することになった。四つの農村コミュニティが長期にわたって仲間たちと協力して改善、あるいは再建された「社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)」の事例を絵本にしたもので、種籽設計による美しい手書きのデザインを通じて、SATOYAMAイニシアティブのアプローチとその原則が分かりやすい挿絵とともに説明されている。
『銀色に輝く香草村』では、老人たちと匂いの記憶を通じて、台東県東河郷にある尚徳コミュニティにおいて次世代の若者たちが小さな頃の記憶をたどって地元へと戻ってゆき、アミ族の人たちと自然と共存するかつての香草山を復活させる様子が語られている。