人間の幸せとは?本当に大切なものとは?ハービーさんの写真から、その答えが見つけられた気がする。
── 宇賀なつみさん推薦
写真家になろうとする若きハービー・山口へ、何を撮るべきかを示すミューズになった女性との
五〇年ぶりの再会。
「人生で大切なことは何でしょうか?」本番が迫っている楽屋での問いにある歌姫が出した答え。
写真嫌いのハリウッド俳優とのギャップを埋めるためにとったハービー・山口のある行動──
プロであれアマチュアであれ、自分のスタイルを見極め、
自信と誇りを持って撮り続けていくことの大切さを綴るフォトエッセイ。
巻末には、どうやったら人を惹きつける写真が撮れるのかに悩む人々へ送る、
実際に使ったカメラのスペックやレンズ、撮影時のエピソードやシャッターチャンスまで......
良い写真を撮るため、ひいては人生を豊かにするためのヒントが満載。
≪メディア掲載情報≫
●J-WAVE「GOOD NEIGHBORS」ハービー・山口氏が出演&本書紹介!(2022/01/25)
●雑誌『コマーシャル・フォト 2022 年3月号』(玄光社)BOOKコーナーにて紹介!(2022/02/15)
●雑誌『MORE 4月号』(集英社)新刊コーナーで本書紹介!(2022/02/26)
●雑誌『CAPA』(ワン・パブリッシング)新刊コーナーで本書紹介!(2022/03/19)
●BSフジ <サンデードキュメンタリー>『東京会議の写真幸福論』ハービー・山口さんが出演(2023/12/10)
目次
第一章 写真を撮る理由 五〇年越しのさよなら/「写真を撮る」ではなく、「写真する」/続ける覚悟/雅子さまの波動/スランプから抜け出すには/人々の素の表情に憧れて
第二章 出会いが人生を変える 人生の迷子になりかけたら/写真嫌いの俳優/人生の三つのロケット/人生を支えた四つのワード
第三章 カメラについて 勇気を与えてくれたカメラ/名店に名物スタッフあり/写真少年の心/道具への愛情/人間の幸せとは音楽と写真〜坂本龍一さんとの再会
第四章 シャッターチャンス〜写真家の視点 裸足で歩く/三秒の奇跡/目は心の窓/ニューノーマル/背負った過去が生きる助けに転じることもある
最近、高校の写真部の生徒たちに講演をしたのですが、次のようなことを最後に話しました。
「自分の命が、人生が何かに救われたという経験があるのなら、その何かをずっと大切にしていく人生を設計したら良いんじゃないかな」。
例えば医療に救われたら、お医者さまになるのは大変だけど、せめて弱い人に手を差し伸べる人になって欲しいし、また誰かの愛に救われたのなら、人間を愛せる人になって欲しい。
スポーツに、または音楽に救われたら、その素晴らしさを他の人に語れる人になって欲しい......。
私は中学二年の時に写真部に入り、現在に至りますが、私の人生で起こった多くのことは写真を続けていたからこその出来事です。また中学二年になった時に新しい担任の先生が黙りこくっている私の肩を抱き込み、満面の笑顔で「山口!なんか言えよ!!」と言ったのですが、それが、私にとって衝撃的なことだったのです。なぜなら私は体育の授業を常に見学しなければならない病弱な体で、とにかく消極的な性格の生徒だったので、先生に可愛がられたことも、自分に向けられた先生の笑顔も一度も見たことがなかったのです。この笑顔に助けられた感覚がいまでも心の隅に残っています。写真と笑顔と、そして音楽でしょうか。これらは決して自分の人生から外せないものなのです。(まえがきより抜粋)
本書はCAPA人気連載「You are a peace of art.」の一部を加筆修正して新たな写真を加え、再構成したものです。