時代を彩るタイル100年の物語
たてものの壁や床を覆う薄板状のやきものは、すべて「タイル」と呼ぼう−−。1922年4月12日、上野で開催された「平和記念東京博覧会」に合わせて、全国のタイル業者が東京市に集まり、呼び名の統一を決めました。
この画期的な出来事から100年。タイルの歴史から見えてくるのは、時代に翻弄されてきた人々の暮らしやまちの変化です。
本書は、日本のタイルの源流、名称統一の背景、そして1922年からの100年を、テーマや年表で紹介しています。美(装飾)と用(機能)を兼ね備えた建材「タイル」の歴史を振り返り、その魅力を再発見する本です。
【構成】
◎インタビュー:藤森照信[建築史家・建築家、本書監修]
I 日本のタイルの源流をさぐる
→タイルが日本に伝来した経緯・変遷を「瓦」「タイル」「煉瓦」「テラコッタ」に分けて紹介
II 1922年、タイルに名称を統一
→エポックメーキングとなった1922年の出来事を原稿と写真で紹介
III 日本のタイル100年
→名称統一後の100年について概要と年表、14のトピックス(下記一覧)と3つのコラム、写真で構成
A:清潔という機能をもつ白いタイル
B:台所とトイレ、浴室はタイル張り
C:銭湯といえばタイル
D:床は三和土から敷瓦、そしてタイルへ
E:地下鉄に色を
F:角のたばこ屋はタイル張り
G:世界へ広がった、和製マジョリカタイル
H:もうひとつの近代建築
I:美術タイルをひらいた2人/小森忍と池田泰山
J:山内逸三と戦後笠原のモザイクタイル隆盛
K:フランク・ロイド・ライトとスクラッチタイル
L:まちを彩る外装タイル
M:建築・美術・陶芸の境を超えて
N:高機能タイルの開発
Column1:タイルはぜいたく品
Column2:タイルを「張る」、工法の変遷
Column3:タイル職人100年のキャリア
執筆者:笠原一人[京都工芸繊維大学助教]/加藤郁美[月兎社主宰]/須崎文代[神奈川大学建築学部建築学科准教授]/服部文孝[瀬戸市美術館館長]/吉村秀樹[釉.合同会社代表]/沓沢博行[東京都江戸東京博物館・江戸東京たてもの園学芸員]/村山閑[多治見市モザイクタイルミュージアム学芸員]/後藤泰男[INAXライブミュージアム主任学芸員]
≪メディア掲載情報≫
●Webメディア『hacomiwa』週末読みたい本で本書紹介!(2020/05/20)